相続トラブルイメージ

おばあちゃんの残した遺言

私のおばあちゃんは、私が20代の時に他界しました。
私は小さい頃からすごくおばあちゃん子で、どこに行ってもおばあちゃんへのお土産は欠かさず、学校もおばあちゃんの家から一番近い場所にし、おばあちゃんの家で下宿しながら通うほどでした。
学校卒業後も、週に1回はおばあちゃんの家に行き、身の回りのことを手伝ってあげてました。
おばあちゃんが末期のがんで入院した時も、毎日暇を見ては病院へ通っていました。
いつものように病院へお見舞いに行ったとき、おばあちゃんは寝ていました。
いつものようにベッド脇にある椅子に座ると、突然「私は逃げも隠れもしないよ」と、起きているのかと思うほど、はっきりとした寝言を言ったのです。
あまりにも突然の事で驚き、体が硬直してしまったのですが、その後もおばあちゃんはスヤスヤと眠っていました。
その日の夜、私は夢を見ました。
暖かい縁側で、おばあちゃんと二人で座り、お茶を飲みながら他愛のない会話をしている夢でした。
その夢の中で、おばあちゃんが「そろそろ出かけなきゃいけないからいくね。絶対について来ちゃだめよ。約束だよ。みんなと仲良くね」と、言っていたのです。
そう言った直後に目が覚め、慌てて病院へ行くと、おばあちゃんは危篤状態でした。
その時、ふと夢の中の言葉を思い出しました。
「そろそろ行くってこの事だったんだ」と、瞬間的に思いました。
そのままおばあちゃんが目を覚ますことはありませんでした。
親戚を迎えに車で行こうとすると、その場にいたおじさんが代わりに運転してくれることになりました。
原因は私がすごく冷静で、淡々としていた事が気になったようです。
葬儀を終え、しばらくしてから、おばあちゃんの持ち物の整理をしに行きました。
ある程度荷物を整理していると、おばあちゃんの部屋のクローゼットから、大きな段ボール箱が出てきました。
中からは何十冊ものノートと、白黒やカラーの大小様々な写真が出てきました。
私や、他の孫たちが小さかった頃の写真や、私の母や叔父叔母、私があった事のないお祖父さんの写真を見た後、何気なくノートをパラパラと見てみました。
ノートの中身は、おばあちゃんの日記で、毎日日記を書いてはいなかったのですが、全てのノートの最後に「みんなと仲良くね」と、遺言状のような言葉の後にも必ず書いてありました。
年齢的にいうと、旅立つのが一番最初なのはおばあちゃんなので、全てのノートに書いてたのかと思うと、それを書いていたおばあちゃんの寂しさも感じられます。

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